「息のしやすさ」を追求したレスピレーターマスク(※1)の開発事例。
新型コロナウイルス感染症の拡大により医療現場に欠かせないN95(※2)マスクが不足し、安定供給が見通せない中、1か月半で約20回を超えるレスピレータマスクの試作品開発に取り組みました。
本製品の最大の特長でもある「N95」に対応すべく開発された高性能フィルターを顔の最適な位置に配置し、より簡単・確実に脱着できるよう設計。また、装着時の不快感を少しでも軽減できるよう軽量コンパクトにまとめました。さらには、個人差のある顔の大きさに対して、より多くの人にフィットするように顔に触れる部分にはゴム部品を使い、空気の漏れがないことはもちろん、長時間使用しても痛みや不快感の少ない仕様を提案しました。また、金型製作までスムーズに進めるよう、設計段階から、成形業者とともに、量産を見据えた設計をご提案。量産化までの期間短縮に努めました。
素材が異なる部品の組み合わせを必要とし、複雑な形状でしたが、光造形と真空注型の技術でゴム部品を製作し、1つの試作品を2日程度で完成させました。
なお、このプロジェクトは国立循環器病研究センター、ニプロ株式会社、ダイキン工業株式会社と共同開発しました。
【工法】デザイン~機構設計~光造形、真空注型
【リードタイム 】試作品製作 2日程度
(※1)単に顔を覆うフェイスマスクとは違い、「高度の捕集効率」と「顔面への密着性」を重視して設計され、着用者の呼吸器への感染リスク(有害物質の呼吸器からのばく露)を軽減することを目的としたマスク
(※2)アメリカの労働安全衛生研究所が定めた防塵マスクの規格基準