スタートアップが資金調達を目指すとき、プロトタイプは単なる「試作品」ではなく、投資家に事業の可能性を示すための“プレゼンテーションツール”です。
特にハードウェア系スタートアップでは、実物の完成度が投資判断に直結することも少なくありません。ここでは、ピッチや展示会で投資家の心を掴むためのデザインの工夫と、試作品の「見せ方」のポイントを解説します。
投資家が注目する3つのチェックポイント
1. 完成度の高さ
試作品のクオリティは、そのまま「チームの実行力」と見なされます。多少の粗さは許容されるものの、外観や操作感に大きな違和感があると「本当に市場に出せるのか?」と疑念を抱かれます。
2. 差別化要素
「既存製品と何が違うのか?」は投資家の最重要関心事です。サイズ感、UI配置、素材選択など、ユーザーにとって一目で違いが分かるポイントが試作品に表れているかが問われます。
3. 量産へのイメージ
投資家は「量産できるかどうか」で事業性を見極めます。金型や部品調達を考慮したデザインであるか、あるいは少なくとも量産に移行できるストーリーが示されているかが重要です。
ピッチで光る試作品の見せ方
● 見せる角度を工夫する
投資家席からの見え方を意識し、最も特徴が際立つ部分を正面に配置しましょう。スライドに映すCGや写真と実機をリンクさせるのも効果的です。
● 色と質感にこだわる
「完成品に近い質感」があるだけで、プロトタイプの説得力は格段に増します。表面仕上げや配色を投資家がイメージしやすい形に整えることが大切です。
● CGやVRを活用する
物理的に用意できる試作品が限られている場合、CGレンダリングやVRシミュレーションを組み合わせて「将来の姿」を見せる手法も有効です。
クロスデザインが提供できるサポート
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「見せる試作」:投資家向けに完成度を高めた展示用モックの製作
- CG・VRプレゼン支援:ハードウェアを実際に触るように体験できるデジタルツールの提供
- 知財戦略の組み込み:「デザイン性=権利性」として、ピッチ資料に意匠登録や知財活用の情報を盛り込み、説得力を補強
これらを組み合わせることで、投資家の理解と信頼を獲得しやすくなります。
まとめ
投資家に刺さるハードウェアデザインとは、単に「美しい形」ではなく、
- 実行力を示す完成度
- 市場での差別化要素
- 量産へのストーリー
を兼ね備えたものです。
そして、それをどう「見せるか」で投資家の印象は大きく変わります。
クロスデザインは、スタートアップのピッチや展示の場で、試作品が最大限の力を発揮できるよう支援しています。
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