コラム

コラム#30:プロトタイプの落とし穴:スタートアップが陥りやすい設計の失敗と解決策

スタートアップにとって、最初の試作品=プロトタイプは、アイデアを形にし、投資家やパートナーへ「可能性」を伝えるための重要なステップです。

ところが、限られたリソースや経験の中で進めるがゆえに、思わぬ落とし穴にはまるケースも少なくありません。本稿では、特にハードウェア系スタートアップが直面しやすい課題と、その解決策をご紹介します。

よくある失敗① 「展示用」か「実証用」かの目的が曖昧
・見た目を重視しすぎて、実際には使えないモックを「試作」と誤認する。
・逆に、実験機能ばかり優先してデザイン性を欠き、投資家への印象が弱くなる。

解決策:
試作品の用途を「誰に見せるか」で分けることが重要です。

・展示用試作:美観や完成度を重視。投資家・展示会向け。
・実証用試作:性能や検証を重視。ユーザー検証・技術実験向け。

クロスデザインでは、両者を並行して設計・製作する事例も多く、フェーズに応じた切り分けをサポートしています。

よくある失敗② 量産を見据えていない設計
・3Dプリンタでの造形では成立するが、量産金型では不可能な形状をそのまま設計してしまう。
・部品点数が多く、量産時にコストや工数が跳ね上がる。

解決策:
初期から「量産性」を意識することが必要です。

・抜き勾配・アンダーカットの考慮
・部品統合による点数削減
・組み立てやすさの設計

クロスデザインは試作段階から量産工程を想定し、将来のコストダウンや製造効率まで踏まえた筐体設計を行っています。

よくある失敗③ ユーザー体験の不足
・操作性や触感を軽視し、ユーザーインタビューで使いにくいと指摘される。
・外観デザインがターゲット市場のニーズに合致せず、印象が弱い。

解決策:
ユーザー体験(UX)を検証する小型モデルやモックアップを早い段階で取り入れること。

・人間工学に基づいた持ちやすさ
・直感的に理解できるUI配置
・市場ニーズに合わせた質感・カラーリング

クロスデザインは、VRやCGを活用した「見せるプロトタイプ」も組み合わせ、実際の使用感を事前に確認できる仕組みを提供しています。

プロトタイプは単なる「試しの製品」ではなく、スタートアップの成長ストーリーを次の段階に進める「武器」です。

目的を明確にする(展示用/実証用の切り分け)
量産性を最初から視野に入れる
ユーザー体験を繰り返し検証する

この3点を押さえることで、無駄なコストや時間を減らし、投資家や市場に強いインパクトを与える試作品を生み出せます。

クロスデザインは、企画・設計・試作から量産まで一貫して支援し、スタートアップの「最初の一歩」を成功に導きます。

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